エリザベート

思わず立ち上がり拍手、スタンディングオベーション
会場中が大きな感動に包まれています。
ミュージカル「エリザベート」は、その余韻が心地よく、終わった後もシートに、しばらく座っていたい感じになりました。
ファンクラブに入っている友人より「絶対観た方がいい、良いから」と言われ、用意してもらったチケット2枚。日本最高峰と言っていいキャストと音楽と舞台と演出。
トート役の山崎育三郎には、おっかけがいるそうですが、その甘い声に痺れる女性がいる事は会場で容易に想像できました。
地元のスーパー銭湯大広間で時々開催されていた大衆演芸でも、おっかけのオバサンが着物にまげ姿の役者に向かい「たつや~」など、くすんだ黄色い声が上がりましたが、エリザベートではオペラグラスを離さない女性が涙を流しています。
エリザベート役の愛希れいか、トート役の山崎育三郎、フランツ・ヨーゼフ役の田代万里生、そしてルドルフとゾフィー等このキャストが素晴らしい配役で調和を保っています。エリザベートの愛と死の輪舞を描いたミュージカル。
その幕が下り、そして再び幕が上がり、すべてのキャストが舞台に次々上がった時、拍手は最高潮になります。
22時過ぎ電車を降り、地元の24時間営業の中華料理店に余韻に浸りながら、奥さんと2人、競馬新聞を懸命に読んでいるオジサンと携帯で忘年会何時やろうかと真っ赤な顔で叫んでいる30代の2組に囲まれた席で、小腹をすかした私たちは餃子とラーメンを注文しました。私はレモンサワーを片手に、この騒がしい店内でクールダウンを図りますが、奥さんは少し早く帰りたいようでした。
「この店には、人間の真実があるんだ、大衆演芸だ、ハイ餃子1個食べな、チャーシュ1枚頂戴」と、思わず立ち上がり箸でつまみます。
高尚なミュージカルも大衆演芸もすべて豊かな文化の発露です。
平和のありがたさを噛み締めた2022年の夜でした。