プレゼント

テレビの「プレバト」を見て、私にも描けるんじゃないかと、ホルベイン透明水彩を買って2年、現在月2回、市の公民館に集まり絵を描いています。
写真と絵は違う、目で見えた色は本当は違う色、紙に描いた時には、濃い影と光の白のコントラストが奥行、遠近感を表すなど多くの学びがあり、こんな感じだ、こんな感じに見えるんだを表現する事に、楽しさと感性の衰えを感じています。
昨年結婚式を終えた娘に、無謀にも当初、絵を贈ってあげると言ったものの、下書きから頭のデカイ5頭身の義理息子が出来、笑いながら何度も消しゴムで消し、まったく下書きが進まない状況でした。
ある時娘より「そういえば絵ってできたの?」と突っ込まれ、誤魔化していると、「大人が約束したことは守らないと・・もう結婚して間もなく1年になるから」と、やんわり圧力をかけてきます。
そこでユーチューブで人物の描き方を検索し、人体のバランス、耳の位置、手足の大きさ、〇を7つ描いて人体ラフ図を起こしていくなど研究を重ね、何とか形になった下書きが完成しました。
ここで色を間違えては台無しになります。慎重に薄く塗り始め何とか観れるんじゃないか、後は額で誤魔化そうと考えました。
そして先日娘夫婦が遊びに来た折、プレゼントに絵を渡しました。一目見るなり娘は「わたしの腰の位置こんなに下じゃない、もっと上」とダメ出ししますが「ほらみて影、影でそう見える錯覚だよ」と必死で説得し「まっギリギリ合格点ね」と許して頂きました。義理息子はスラッと良い形になっています。
1週間後、ピコンとラインが届き、娘が住んでるリビングの壁に掛けた額入りの絵の写真が届きました。
50年後、何でも鑑定団で「いい仕事してますね」と鑑定士からお褒めの言葉をいただけるように、今日もおにぎり片手にランニング姿で写生に向かいます。